祖父の「まじない」

まったくコーチングに関係ないんですが、ふと思い出した、私と祖父の「つながり」。

いつの頃からかは知りませんが、私の父方の祖父はある新興宗教の信者でした。毎日朝晩休むことなくその「神様」を拝んでいました。(そして祖父母の家にはちゃんと仏壇も神棚もあり、祖父はちゃんとそれらも拝んでいました。昭和によくある日本の家庭の風景^^)

祖母や父母そして私にその宗教を強制することもまた勧めることもなく、壷を売ったり買ったりということもなかったので(笑)、私たちは「じいちゃんが良いなら、いいべ〜」という感じで、その信仰を見守る、という感じでした。

その宗教は、いわゆる「ハンドパワー」じゃないですけど、手から出るエネルギーで人を治したり癒したり、ということを信じて実践しているものでした。だから祖父もそういうことを信者さん同士の間ではしているようでしたが、私たちが目にすることはありませんでした。
(ちなみに、祖母曰く、祖父は界隈の信者さんたちの中では「評判」だったらしいのですが・・・真偽のほどは分かりません。)

あれは高校生のころだったでしょうか。夏休みに祖父母の家に遊びに行った時。私と父母は近くの樽前山という山までドライブに行きました。そして山を下りる時のカーブで、私は珍しくひどい車酔いとなって、祖父母の家に戻ったのです。

今にも吐きそう・・・で気持ちの悪い私は、帰宅早々、畳の部屋に転がってうんうんとうなっていました。

そこへおもむろに祖父が来て、なんと、「じいちゃんが、まじないをかけて直してやる」(!)と言うのです。気持ち悪さマックスの私は、目をぎゅっとつぶって耐えていたのですが、「ああ、なんか、じいちゃんが訳分かんないこと言ってるよ〜」と思いながらも、祖父の気持ちを傷つけたくなかったので黙って気持ち悪さに耐えていました。そしてたまたま、目を閉じた状態で仰向けで寝ていました。

とにかく気持ち悪くて、そのことしか考えられない、感じられない状態。

・・・すると、そのうちに、な〜んか、おなかの辺りが、ぽかぽかとあたたかくなってきたのです。最初は気のせいかな?と思っていたのですが、だんだんと「ぽかぽか」を通り越して、まるで電熱器を上からあてているかのごとく、はっきりとした熱をおなかに感じるようになったのです。

「えええっっっ?!?!」

“はた”と気がついて私は、文字通り「ぱっ」と目を開けました。

最初に目に飛び込んで来たのは、大きな手のひら。

す、するとそこには、私のおなかにむけて手のひらをかざした、我がじいちゃんの姿が〜〜〜〜

「ぎゃ、ぎゃ〜〜〜〜っっっっ!!」

と、私は心の中で叫びました。あ、心の中でだけ。

最近でこそスピリチュアルブームとか手のエネルギーとかなんとかさも普通のことにように話題に出ますけど、当時はどっちかというと「あなたの知らない世界」(笑)という感じ。たった一人の孫娘にとても優しくしてくれていた祖父のことは大好きだったし、その真面目で正直な人柄を尊敬もしていたのですが、気持ち悪さマックスのところに「“まじない”をかけにきた」という祖父に対しては「も〜・・・じいちゃん、あやしいし〜・・・」(笑)って感じだったんです。

そ、それが。ど〜考えても、この熱、じいちゃんの手から出てる??
それも、手、私の身体から50cmくらい離れてるよね???

当時まだ本当に限られた世界しか触れたことのないうら若き乙女であった私にとって、この体験は、まさにショーゲキでした。

あまりにショーゲキで、その場では何も言えませんでした。

そしてそのまま私は軽い眠りに入ったのです。

ふと目覚めた私は、気持ち悪さも無くなっていて、あえてふつ〜に過ごしました。「おじいちゃん、あ、あれは、何だったの?」と聞きたい気持ちでいっぱいなのですが、祖父は何を言うでもなく、そう、まるで何ごともなかったかのようにふつ〜にしているので、なんだか聞きにくい。ショーゲキを受けた私のアタマの中は「??????」な感じ。

でも・・・あれ、確かに、じいちゃんの手から出てたよね〜〜・・・

祖父が寝てから(祖父は夜7時前に寝て朝4時前に起きてました。驚。)私は父母に「じ、じつは・・・」と私のショーゲキの体験を話しました。

「えっっ。ほんとか??」(父)
「う、うん、ほんとなんだよ〜〜っっ」(娘)
「おお、じいさん、ホンモノだったのか〜」(父)

(おいおい、何が「ホンモノ」なんだよ、と突っ込みたくなるノリの父親の反応でした。「ちびまる子ちゃん」のお父さんのヒロシみたいな感じ。笑)。

当時信心と呼べるようなものをほぼ全く持ち合わせていなかった父の何かが変わったわけではなかったし、母も私の話を静かにうなずいて聞いていただけでした。私にしてもこのできごとをきっかけとして祖父に弟子入りしたということもありませんでした。

ただ、この「体験」のショーゲキは、私にのちのちまで影響を及ぼしたと思います。

ヒトの身体のエネルギーやモノや場のエネルギーのようなものを含む、いわゆるはっきりとは目に見えない何か、に対して、今の私が持っている感覚というのは、この体験なしにはありえなかったと思います。(あ、私は、ことさらな何かが“見える”とか、スプーンが曲げられるとか、そういうヒトでは全然ありません。)

そして時々、自分の「手」のエネルギーを感じる時に(ちなみに、私は治療行為とかヒーリング行為とかまったくしてませんし、できません)、祖父のことを思い出して、なんだか嬉しいんですよね。

「やっぱりじいちゃんの孫だからね〜♫」てな感じで、祖父との「つながり」を感じられることが、嬉しいのです。ウソでも真でも、関係なしに。

祖父が亡くなってからもう9年近く。それなのに、こんな風に祖父との「つながり」を今あることのように感じることができる、とういうのは、なかなか不思議なことだと思います。

あの時祖父は、確かに私に「まじない」をかけたのかもしれません。
祖父がいなくなった後も、ずっとずっと私が祖父を感じることができるような、おまじないを。