助けを求める② サボタージュの声

さて、それで私はクライアントさんにサボタージュは「何と言っているか」尋ねました。クライアントさんいわく

「あんた、一体何様のつもり?」

ということ。そんな状況の相手に助けてもらおうだなんて「あんた、一体何様のつもり?」てことですね。

私はさらに、その声/サボタージュはどこに存在するのか、どんな風にしゃべるのか、などを聞きました。

耳の中にいて(ひえええ、と、このとき私は思いました。なんか恐ろしい。笑)、今現在話しているように普通に、でも、とても意地悪く言うのだそうです。

そこで、私は「じゃあ、私がそのサボタージュになってみてい良いですか?」と尋ねました。ちなみに、こういうふうにクライアントさんの「許可」をとることが大事な場合はコーチングでは結構多いです。

まだ何も知らない(笑)クライアントさんは迷うことなくイエス。そこで私はめいっぱい迫真の演技でそのサボタージュになりました。ふつ〜に、でも、思いっきり意地悪に、言い放ったのです「あんた、何様のつもり?」と。何度か、ちょっとづつ声のトーンを変えて言いました。

クライアントさんが「不機嫌」(と正確に言えるかどうかは別として)になるのを感じることができました。自分で「こういう風な声がこんなこと言ってるんです」って私に教えてくれたのに、そして私がその「声」になってもいいです、って許可をくれたのに、実際にそれを私が言うのを聞くと嫌なんです。自分の心の中で自分にはずっと言い続けているのにね。コーチングのためと分かっていても、「嫌だ」とおもうその気持ちはリアルなんです。その「リアルさ」こそが、肝です。

そこでクライアントさんは「分かる」んです。そのリアルさゆえに。自分は、自分に対して、こんなに嫌なこと言い続けていたのだ、ってことが。

ま、人からいわれたくない、っていうことだとも言えますが、人ら言われて嫌な事を自分で自分に言ってる、ってどうなの?ってことですよね。

自分の心の中だけでずっとこっそり行われていた自分自身との「やりとり」。それを言語化して実際に声に出してみることには、それが自分の声であれ、他人の声であれ(ケースバイケースです)、大きなインパクトがあるのです。

私はクライアントさんがかなりリアルに不機嫌になっているところで、こう尋ねました。「今、あなたはこのサボタージュになんと言い返したいですか?」と。

クライアントさんはとても強い口調で答えました。これ、うそみたいですが、本当です。クライアントさんはこう言ったのです。

「私はできる人間だから」
「私、素晴らしいし」

怒ってます^^;; 怒って宣言してます。
「私は素晴らしいのだ」と。

で、ここでめでたしめでたし、ほら、あなたは素晴らしい人です、そのことを自分で認めることができましたね。ばんざい、だからどんどん助けを求めましょう、となる場合もある(多い)とは思うのですが、このセッションのときは、そのような流れにはなりませんでした。

正確に言うとコーチの私はそのような流れを作りたいとは思いませんでした。
まだ終わってない、そう感じたのです。

今思い返せば(そのときは、そこまで明確に分かっていませんでしたが)クライアントさんが「怒ってる」ことに、私は違和感を感じたのだと思います。

なんというのでしょう。まだ何か隠してる感じ。それを怒ってごまかしてる感じ。とでもいうのでしょうか。そんな感覚を得たのだと思います。本人が意識してるにせよしてないにせよ。

私はさらに尋ねました。サボタージュ口調のままです^^;;
ちょっとリスキーだな(だって怒ってるし、笑)、と思いつつ、そのままいきました。(あ、ちなみに、こういう風に「けんか売る」みたいなことはほとんどしませんし、ほんとに「けんか売る」とそれは自己管理がなってないということになります。今回の場合は、私なりにリスクを感じつつも、ここはつっこもう、と判断していました。)

「でも、助けてって、言えないんでしょ?こわいんでしょ?」と。直感で。あてずっぽで。

で、この「こわい」ってのは、すぐに後述しますが、「はずれ」でした。
でもいいんです。当てっこゲームじゃないので。この「はずれ」にクライアントさんが何らかの反応をする、ということが、大事なんです。

「こわい?」と、クライアントさん。
さらに怒ってます。何に怒ってるんでしょうね。私に?いいえ違います(あ、もちろん、ちょっとびびるけど、そこはほれ、私も多少経験を積んで来たので、大丈夫です。)

クライアントさんは自分のサボタージュに怒っているんです。

「こわくなんかないわよ。だって・・・・」

だって、のあとに出て来たものは・・・(つづく)。