「安全である」ことは「居心地が良い」ことではない
「安全である」ことは「居心地が良い」ことではない。
これに「コーチングでは必ずしも」という字句を挿入して、今日の言葉です。
私たちが自ら何らかの変化を起こそうとする時、それはとても「居心地が悪い」体験になりえます。大きなストレスを感じることもあるでしょう。
けれども、変化を起こしたい、変化を起こすのだ、と、いう気持ちがクライアントにあり、それがクライアントの人生にとって大切な「変化」であるならば、クライアントはあえてその「居心地の悪い」体験をしなければなりません。
コーチはクライアントが「安心して」その居心地の悪い体験ができるように、サポートするのが役目であって、その居心地の悪さをごまかしたりなくしたりするためにコーチングをするのではありません。
実際、私自身もクライアントとしてコーチングを受けていて「むっとすること」あるんですよ^^ あと、一回のセッションが終わった後に余計に「くさくさする」気持ちになったりとか。あるんです。もちろん、そういうことの方が少ないですが。
なんでお金払って「嫌な気持ち」にならないといけないのか?
って思う方、いるんじゃないかと思います。
でもね、私は教員を長くやっていたので、ここ、分かるのですが、相手に表面的なその場限りの「優しさ」を見せて機嫌を取る方が、簡単なんですよ。できの悪いレポートでも「はいはい、オッケー」って合格点を出す方がよっぽど楽。
そしてもちろんそれは相手のためにならない。
コーチは教師じゃないので、もちろん同じじゃないんですけど、まあ、コーチングに限らず、「ほんと」に向き合わない方が、そして「ほんと」に向き合わないコミュニケーションの方が、楽なんですよね。らく。
そして、私たちは普段そういう人との関わり方、そういうコミュニケーション、をしている方が圧倒的に多いんじゃないでしょうか。
「ほんと」に向き合うことは、実は、お金をわざわざ払わないとなかなか難しくなっているような気がします。
大切な変化が起きる時、大切な変化を起こそうとする時、たとえそれがどんないわくわくすることであったとしても、やっぱり・・・「居心地悪い」こと、ありますよね。それがむしろ当然です。そしてその「居心地の悪さ」を通過しないと、クライアントさんの人生にとって大切な変化なんて、起きないんです。
だから、その「居心地悪さ」から逃げずにいられるように、クライアントさんが安心して「居心地の悪い」体験ができるように、しっかりクライアントさんを支えることがコーチの大切な役目です。
だから「うわあ、き、機嫌、わる・・・・」と思ってちょっとびびることも、ま、たまにあるし、クライアントさんと「仲良く」してる方がコーチの私もラクだし楽しいんですけど・・・「このコーチング・セッションは『誰のために?』」を問えば、何を優先するべきかは一目瞭然。
私のためじゃないんです。私が楽しいことじゃなくて、クライアントさんが勇気を持ってそして安心して人生の変化を起こせることを最優先にするんです。そのためには、すなわち、クライアントさんが居心地の悪い思いをすることをあえて選ぶ、っていうか、結果的にそうなる、ってことも、あるんだなあ、これが。
コーチとしてこれができる(ようになる)か否か、けっこう分かれ目だと思ってます。

