Aさん:「“自分に戻る”ことを助けてくれた。」
先日、約一年間コーチングをさせていただいたクライアントさんのAさんとの完了セッションを行いました。(以下、クライアントさんのご了解を得て書いています。)
ちょうど昨年の4月にコーチングを始めたときのAさんは、その直前にお勤めされていた会社をご自分の意に反して追い出されるような形で辞めた、というような辛い体験をされたばかりでした。
次の職場を探さなければならないという状況で、ご自分にもっと「合う」お仕事を探したかったAさんは、産業カウンセラーや、キャリア・コンサルタントなどなどの方達に相談することも考えたそうです。
でも、辞職に至るまでに色んなことがあって本当に辛い思いをして深く傷付き自尊心が最低レベルにまで落ち込んでいた(ご本人の言葉です)Aさんは、「あなたはこんな経験があって、だからこんなことができますね、そしてこういうことを身につけると良いですね」というように「商品のように」ジャッジされたりアドバイスされたりすることに対して「今の自分は耐えられない」と思ったそうです。
(産業カウンセラーやキャリア・カウンセラーの方達がそういうことをする、と言っているわけではありません。Aさんが当時の状況の中でそのように感じたということです。)
そしてAさんは私にコンタクトしてきてくださいました。
1年間のうち、前半は2週間に一度、そして後半は1ヶ月の1度、というような頻度でセッションは進みました。
なんと言っても1年間のおつきあいですから、Aさん自身にも色々な気付きや学びがあったように、コーチの私自身にも色々な気付きや学びがありました。
それを全て今日ここで詳述することはもちろんできないのですが、先日の「最後のセッション」で私とAさんが異口同音に互いに言い合ったこと。
それは「奇跡のようなフィナーレになりましたね」ということでした。
この1年間の間にAさんは別の職場を見つけて契約社員としてお勤めされていたのですが、契約の形態が不安定であったということもありここも諸事情で辞めることとなり、冬になるころからは正社員で長く働けて、職種や働き方や職場の雰囲気そしてお給料がご自分の望むような職場をずっと探していたのですが、色々な条件を考えると「かなりきびしいです」とずっとおっしゃっていました。そして実際、就職活動自体はとてもきびしいものとなっていました
(ただ、その「きびしさ」それをどうとらえてどう行動するか、はまた別で、ここに実はAさんが「成功」した鍵があるのですが・・・)
ところが、最後のセッションに少し遅れて来たAさんは冒頭で息をきらしながら「すみません、仕事が少し遅くなって・・・」と言うではありませんか。
「え、仕事見つかったんですか?」
「そうなんです。それも理想通りの職場なんです。実は・・・・」
と事情を話してくださったAさん。
「今度は長く働けると思います。」と確信に満ちた明るい声。
ぱちぱちぱち。パチパチパチ
PATIPATIPATI.
思わず、ほんとに思わず、拍手しちゃいました。
そして本当に良かったな〜と思ったんです。
とは言え、私は一年間Aさんとおつきあいさせていただいていたので、Aさんはきっと大丈夫だな、という確信はあったんです。
ひとまずは安心して「ご就職おめでとうございます。」と言って卒業していただけるのは、本当に嬉しいけれど、その日にそれが叶わなかったとしても、きっとそうなるだろうな、って。
ただ、最後のセッションにちょうど間に合うように、ちょうどセッションを昨年の4月に始めて今年また再び4月が巡ってきたこのタイミングで・・・!というのは・・・
これ、誰も計画できないですよね。
まさに「奇跡のようなフィナーレ」になって、Aさんも私もちょっとぼ〜っとしちゃいました(笑)。
Aさんは、「今の自分にぴったりと合った理想の職場」を見つけましたが、それは就職活動に成功したというだけではありません。
Aさんは「今の自分」を受け入れて認めてあげることができるようになっていました。そう、Aさん、なかなか素晴らしいんですよ、実際。なのにご本人はそれをなかなか認めていませんでした・・・(こういうの、私自身にも、クライアントさんたちによくあることではあるのですが・・・)そしてそこから「行動」をきちんと起こせるようになっていたのです。
もちろん、落ち込むときもへこむ時も、ありました。(と、Aさんご自身がおっしゃっていました。)でも、そこでだめになってしまうことなく、ちゃんとご自分を取り戻して、淡々とこつこつと行動しつづけられるようになっていたのです。
Aさんとの道のり、そしてAさんご自身の成長と変化の軌跡。
後日またちょっとづつポイント、ポイントに触れていきたいと思うのですが、今日は「この1年を振り返ってみて、もしこのコーチングのセッションが何かのお役にたったのだとしたら、それはなんでしたか。ひとつ、教えてください」という私の最後の質問について、Aさんが即答してくださった言葉を記して終わりにしたいと思います。
「“自分に戻る”ことを助けてくれた。他人と比べるんじゃなくて、自分で自分自身を客観的に見つめ直すことができるようになった。」
うん。
今のAさんはちゃんと”自分に戻る”ことができるようになっている。その大切さも知ってる。そして他人と比べることなく、自分自身をきちんと見つめることができるようになってる。
だからAさんは、あんなどん底の状態から(ご本人の言葉です)、ここまで来たんですよね。自分に合った理想の職場を手にいれただけじゃなくて、Aさん、「自分には能力があるんだ」と思えるようになった、そして、「自分は美しいと思えるようになった」ともおっしゃっているのです。
Aさんの成長と変化。それは、Aさん自身が起こしたことです。
その伴走ができたこと。
そして、Aさん自身が起こしてきた成長と変化をサポートできたこと。
それをコーチとして実感できたこと。
嬉しかったな〜。
Aさんに乾杯、だけじゃなくて、自分にも乾杯、しちゃお(笑)。
ちなみに、Aさんとは画像なしのスカイプだけのセッションを一年間行ってきました。
私は実はAさんとは一度もお会いしたことがありません。(これって、色んな意味で、すごくないですか?いや、別に他意はないんですが。)
いつか、さらに違うステージに進んだAさんと、これからも時に襲ってくるであろう様々な困難をちゃんと乗り越えておそらくは今よりももっともっと輝いているであろうAさんと、お会いして乾杯できたらいいな、と心から思います。

