私と英語(その2)
私はアメリカで息子を出産しました。
出産のちょうど一週間くらい前だったでしょうか、母がアメリカに来てくれました(母にとっては初・アメリカでした)。
それで無事に夫と母の両名が私の出産に立ち合うこととなったのですが、明け方の出産を終えて数日経った頃でしょうか。母が私にこう尋ねたのです。
「ねえ、ねえ、出産のとき、お医者さんとか看護婦さんが『はらはら、はらはら』ってすごく言ってたでしょ?あれ、なに?もう〜〜、お母さん「はらはら」しちゃったわよ〜」って。
????? はらはら?? いや、みんな英語しゃべってたはずだし・・・??
あ〜〜。
お医者さんと看護婦さんは“Push harder!” “Harder, harder!”つまり「もっと、いきんで」「もっと、もっと」とそう言っていたのです。もっともっとがんばっておなかの力で赤ちゃんを押し出せ、ってことね。
母はほぼ全く英語ができませんでした。その母が捉えたharderの音は「はら」だったわけです。それで自分まで「はらはら」しちゃった、という、できすぎのオヤジギャグのようなことが起きていたのでした(笑)。
いまでも時々ふとこのことを思い出すと、英語学習者&もと英語の先生(大学の教員だったころ、教養英語も教えていたので)として「ほ〜、なるほど」と思うのですが。同時に、っていうか、それ以上に「オヤジギャグじゃないんだからさ〜・・」と、真剣に(笑)不思議がっていた(を通り越して「はらはらしちゃったわよ!」と少し怒ってた。笑)母のことを思い出して、ちょっとあったかい気持ちになります。
*こういう場合、(アメリカ英語の場合ですが)dがほぼ日本語の「らりるれろ」の音に近い発音になるのです。(もちろん、全く同じじゃないよ。)get itという言い方のget の
tの音も同じように変化して(かつitのtの音が消えるので)「げり」の様に聞こえるのと同じ理屈なのですが、詳しいことはもし機会があれば。

