plan-do-plan-do

大学の教員になる前に9年間ほど外国で暮らしていました。そのうちほとんどはアメリかの大学院に留学していたのですが、そういう経歴があったためか、教員時代にはよく学生から留学についての相談を受けました。

結構な割合で聞いたのが、「留学したいんですけど、ただ留学するんじゃなくて、どういうことをしたいのかとか、留学の経験を生かして将来どういう仕事に就きたいのかとか、ちゃんと考えくちゃって」
—思うんですけど、まだはっきりしなくて
—って、親に言われているんですけど、ちゃんと言えなくて
—って○○先生に言われて色々考えているんですけど・・・

という感じの相談。

そして「先生は、どうして留学したんですか?」みたいな質問が続くことが多かったです。

私が留学したかった理由は君の留学したい理由とは違うでしょ?私のこと聞いて自分のことが分かるの?なんて(意地悪な)ことは言いませんでしたよ(笑)。

こういう相談を受けた時、私はわりと正直にこんな感じで答えてました。

人に聞かれたときに答えるための「立派な理由」はあった。それはうそじゃなかったし、英語やら何やらの準備も結構したけど。
でもね、そんなのは全部、後づけ。ぶっちゃけね、私は、ただ、行きたかったから、行ったんだよ、と。ただ、ただ、行きたかった。その気持ちだけが、強かった。(だから留学してから、ひえええ、って思いを散々するわけですが。笑)

学生さんは(特に経済的な意味で)自立している大人ではありませんし、また、昨今の学生さんは堅実にアルバイトをして留学資金をためたりする学生も多いとは言えば、やはりお金を出すのは親御さんの場合が多い。だからやはり親御さんの理解を得ることや、親御さんの経済状況をかんがみることはとても重要です。その点についてはいつもしっかりと言いました。

ただ、「お金と時間があるのなら」「ま、行っちゃえば?」てな感じで私は言ってました。

だって。40過ぎたって自分が何者かとか何がしたいのかと、そんなにはっきり分からないんだし。いまだにいっぱい迷ったり途方にくれたり混乱したりしてるし。

学生は二十歳前後です。二十歳やそこらで自分や自分の人生のこと、きちんと分からないのって、当たり前じゃない?「ちゃんときちんと考えて目標が明確になるまで」待ってたら、おばあさあん/おじいさんになっちゃうよ〜〜。

という気持ちがあったので、それをいつも正直に伝えてました(「これ、オフレコね」みたいなことは言っていたかもしれませんが。笑)

もちろん、あ〜んまりテキトーなのはどうかと思いますが、でもテキトーくんやテキトーちゃんならなおのこと、留学出来るお金と時間があるなら、行かないよりは行った方が、やっぱりプラスになるんじゃないかな、と思うのです。実りの多い留学になるかならないを左右するのって、日本でいかにちゃんといい子でがんばってきちんと準備したか、では、必ずしもないから。(いや、それももちろん大事ですよ。でもそれは全てではない。)

私が認定ファシリテーターの資格を持っている「レゴ・シリアス・プレイ・メソッド」はplan-do-plan-do、あるいはdo-plan-do-planという思考と実践のやりようを磨くのにも有用です。つまりレゴ・ブロックでどんな形を作り上げて行くか、と、ブロックを目の前にしてう〜んと考え込んでいたって、絶対に分からないということ。まずは手を動かして、最初のピースとピースを合わせてみないと。手を動かす事によって頭がよりよく動いてplanできるようになり、さらにそれがdoにつながっていく。そのdoの積み重ねがさらなるplanへと発展するし、それか次のdoとなる・・・ということです。

話を戻すと、上記のような「留学したいんですけど・・・」の相談は、plan-plan-plan-planになってしまっている場合が多かった。ブロックを目の前にして「どうやって留学っていう形を作ろうかな〜」と考え込んでいる感じ。だから私はまず手を動かしてブロックにさわりなさい、plan-do-plan-doあるいはdo-plan-do-plan,
でやりなさい、と言っていたように思います(当時はレゴのことなんて知らなかったので、このような概念化はしていませんでしたが)。

そして、これって、学生の留学相談に限らない、私たちの人生全般に言えることかな、と思います。

do-do-doの人生も困るし失敗したときの痛手も大きいけど(う〜ん、私にはちょっとこの傾向が・・・笑)plan-plan-planの人生も・・・失敗はないかもしれないけど(何も実行しなければ失敗もない、という考えとすると)、困るよね?(笑)

とにかくやっちゃえ!というのではなくて(親掛かりの学生時代の留学というある種限定されたイベントとは、やはり「人生」は違いますので。笑)plan-do-plan-doあるいはdo-plan-do-plan、のモードで、考え込んでばかりいないで、動いてみたらいいんじゃないかな、思うのです。

もしあなたが、かつて私のもとに留学相談に来た学生のように「△△したいんだけど・・・・」で止まっているとしたら、あなたはplan-plan-plan症候群(?)に陥っているのかも、しれません。

立派なplanはできたけど、あれ、もうdoする時間も体力も残ってない・・・のは、残念ですよね。