拡大質問
「拡大質問」は、いわゆる「オープン・クエスチョン」と似ています。「オープン・クエスチョン=open question」は「クローズド・クエスチョン=closed question」の反対です。
クローズド・クエスチョンはYESかNOで答えさせる質問。例えば、「本気で転職したいと思っているんですか?」とか「今のあなたにダイエットが必要だと思いますか?」とか。
こういう質問をされると「いや、そう言われると、違うかも・・・(=NO??)」とか「もう絶対必要なんです!!(=YES!!)」とか答えるわけですが、いずれの場合も、「はい」か「いいえ」のどちらかを選ぶ、というマインドが設定されてしまうので、答えもつられて「クローズ」しちゃう、すなわち、「無限の可能性」が閉じてしまうのです。YESかNOか「決定できない」時も含めて。つまり思考も閉じちゃうとでも言うのか。
すると、「およ?」「あれ?そういう考え方もありなの?」「う〜ん、そもそもなんでこんなにダイエットしたいんだろう?」のような、コーチもクライアントさんも思ってもいなかったアイディアやつながりが浮かび上がってきたり生まれたりする余地がなくなってしまうのです。グレーゾーンとか玉虫色とかいうことも含めて。
「閉じる」質問じゃなくて「拡大する」質問は常にオープン・クエスチョン。YESかNOでは答えられない質問です。例えば「転職すると、どんな生活になると思いますか」とか「転職、って○○さんの人生においてどんな意味があるんでしょうね」とか「ダイエットする△△さんを動物に例えると何でしょうね」とか・・・エトセトラ、エトセトラ。
こういう質問をされて、それがクライアントさんにとって「ヒットする」質問だった場合(ちなみにコーチング業界ではこれを「響く」と言ったりしますが)、クライアントさんは、たいていの場合、ちょっと(あるいはう〜んと)考えます。しばらく沈黙することもあります。
そして「転職すると・・・不安定になるでしょうね。でも、今よりも、家族との時間はとれるようになるかな〜・・・」とか「転職すると、う〜ん、やりがいは大きくなると思うけど、毎日プレッシャーは感じるようになるだろうなあ」とか「そういえば大学時代の友達がもう何回も転職してるんですよね。ああいうのって、どうしてなんだろうなあ。まあ、昔っから、攻めるタイプだったっていうか・・・でも自分はどっちかとういうと慎重派で・・・」とか「なんか、輪っかの中を永遠に走り続けてるハムスターかも・・・いつまでも同じことして、でもどこにも行けないっていうか・・・」とか、こんな感じの答えが返ってくるかもしれません。
これらはあくまで例ですが、拡大質問に答えようとする、クライアントさんのどこかに眠っていた思考や感性や物語が浮かび上がってきたり、あるいは創りだされたり、時には全然関係ない方向に話が飛び火したりすることがあるのです。そしてそこからあらためて「自分」を確認したり意外な自分を発見したりする。こんな効果が拡大質問にはあります。

